論文ID: 24-00024
日本各地で漁獲されたコモンフグにつき,マウス毒性試験で各部位の毒力を求めた。その結果,本種の毒性は,漁獲域により異なるものの,総じてきわめて高く,皮,肝臓,卵巣,精巣のいずれもʻ猛毒ʼの個体が出現した。筋肉の毒力は,凍結魚または鮮魚ではʻ無毒ʼないしʻ弱毒ʼであったが,凍結解凍魚ではʻ強毒ʼの個体もみられた。筋肉の毒性に対する凍結解凍の影響について実験的な検証を行ったところ,凍結のみではほとんど影響はないが,解凍により有毒部位,特に皮から毒が溶出し,その一部が筋肉に移行することが示された。