抄録
キンギョの胚操作の指標となる嚢胚期以前の発生段階を, 組織学的, 細胞学的, 発生遺伝学的な視点から検討を加えた。20℃の培養下で同調卵割から非同調卵割への移行(中期胞胚期遷移)は, 9回の同調卵割の後の受精約6時間に起こり, この時期以降を中期胞胚期と定めた。中胚葉分化の指標となるgoosecoidとno tailの発現は受精後8時間に観察され, この時期以降を後期細胚期と定めた。胚盤周囲の卵黄多核層の形成と深層細胞の運動は中期胞胚期に, 胚盤中央部の卵黄多核層の形成と深層細胞の自律的な混合は, 被いかぶせ運動以前の後期胞胚期に観察された。