2000 年 66 巻 3 号 p. 439-445
縮結0.3,0.5,0.7の3種の刺網を用いてコイとニジマスを対象に行った水槽実験から得た体長階級別漁獲率より, 体長に関係しない漁獲効率成分を除去した残余成分である選択性を求め, これらを比較した。両魚種ともに, 刺し漁獲による漁獲率から得た最大選択体長, 選択体長範囲, グラフの傾斜などは縮結間で差はなかった。絡み漁獲は縮結の増加とともに選択体長範囲を片側に拡大するように働いた。縮結は, 単位網地面積当たりの目数を変化させ, 網全体の漁獲効率に影響を与えたが, 刺しによる選択性には変化を与えなかったと考えた。