島原湾深江沖コウイカかご漁場での流動環境とかご漁具の漁獲量変動について検討した。資料には当該漁場で操業する1経営体の1997年度漁期(2月20日∿5月28日)の日別漁獲量を用いた。流速は海底上20cmで流速計により10分間隔で連続測定した(測定期間 : 4月25日から5月22日)。流動環境は太陰半月周期で大きく変動し, 大潮時に流速は増大, 小潮時に減少する。コウイカの漁獲量は月齢と密接に関係し, 流速の増大時にそれは減少し, 流速の減少時に増加する傾向を示した。潮流の強さはコウイカのかごへの進入行動に強く影響する物理要因の一つである。