真空高速攪拌機を用いてすり身に10%の魚油を乳化させ,至適攪拌条件を魚油粒子の分布状態,乳化物の粘度,および加熱ゲル形成能を考慮して調べた。低速度(900rpm)で攪拌した場合,攪拌時間に伴って魚油粒子は小さくなり加熱ゲル形成能は上昇したが,10分以上攪拌しても乳化状態は安定しなかった。一方,低速度(300rpm)から高遠度(3000rpm)までの段階的攪拌により,乳化物の粘度の増加,魚油粒子の均質な微粒化が達成されるとともに高い加熱ゲル形成能が得られ,安定した乳化状態が達成された。以上の結果により,強い攪拌力による油球の微小化がゲル形成能の向上効果をもたらすことが示唆された。