日本水産学会誌
Online ISSN : 1349-998X
Print ISSN : 0021-5392
ISSN-L : 0021-5392
異なる温度に保存したコイの筋原線維の小片化に及ぼす順応温度の影響
三嶋 敏雄藤井 潤橘 勝康槌本 六良
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 69 巻 6 号 p. 948-954

詳細
抄録

10℃(L群)と30℃(H群)に飼育したコイを用い,各保存温度下(0,15,30℃)の筋原線維の小片化を検討したところ,いずれの保存温度でもH>Lの傾向にあった。この差異に影響する要因を次に検討した。筋収縮率は30℃保存ではH<L,15℃保存ではH≒L,0℃保存ではH>Lであった。カルパイン活性は25℃と30℃反応ではH>L,20℃からO℃反応ではH≦Lであった。筋小胞体のCa-ATPase活性は30°CからO°C反応までH<Lであった。両群の筋原線維小片化の差異には,これらの要因の関与が推察された。

著者関連情報
© 社団法人 日本水産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top