10℃(L群)と30℃(H群)に飼育したコイを用い,各保存温度下(0,15,30℃)の筋原線維の小片化を検討したところ,いずれの保存温度でもH>Lの傾向にあった。この差異に影響する要因を次に検討した。筋収縮率は30℃保存ではH<L,15℃保存ではH≒L,0℃保存ではH>Lであった。カルパイン活性は25℃と30℃反応ではH>L,20℃からO℃反応ではH≦Lであった。筋小胞体のCa-ATPase活性は30°CからO°C反応までH<Lであった。両群の筋原線維小片化の差異には,これらの要因の関与が推察された。