2012 年 27 巻 4 号 p. 601-607
自己免疫性膵炎(AIP)は膵癌(PC)との鑑別が臨床上の問題である.本研究では,Perfusion CTによる膵血流解析が両者の鑑別に有用であるかを検討した.AIP 12症例(全例type 1)とPC 22症例にPerfusion CTを施行し,single-compartment kinetic model法を用いて画像解析を行い,3つのパラメータを用いて両者を比較した.FV値はAIPで平均81.3/分に対しPCでは平均19.3/分と有意に低値(p=0.0005),VD値はAIPが28.8に対しPCでは93.6と有意に高値(p=0.0084),R2値はAIPが0.659に対しPCでは0.250と有意に低値(p<0.0001)であった.また,カラーマップ画像も鑑別に有用であった.本研究は,AIPとPCの鑑別におけるPerfusion CTの有用性を示す最初の報告である.