抄録
症例は70歳代,男性.アルコール常用者.主訴は腹痛.腹部CT検査で膵体部に約5mm大の膵石があり,この部位から横隔膜まで連続する膵嚢胞を認めた.慢性膵炎急性増悪による膵仮性嚢胞を疑い,内視鏡的逆行性膵管造影(ERP)を施行し,膵体部から造影剤の漏出を認めた.内視鏡的経鼻膵管ドレナージ(ENPD)チューブを留置し,泥状の排液を認めた.チューブ留置後第7日目に膵管ステントで内瘻化した.約2ヶ月後に嚢胞は消失,膵管ステントを抜去し,経過観察中である.膵管と交通を有する膵仮性嚢胞に対しては,膵管ステント留置は有効な治療法である.