抄録
55歳男性.近医にて膵腫瘤を指摘され紹介となった.CTでは膵体部に被膜様構造を有する径5cmの境界明瞭な腫瘤を認めた.MRI T2強調像で腫瘤の一部は高・低信号がモザイク状に混在し,新旧の出血壊死が疑われた.超音波内視鏡では腫瘤内部に嚢胞変性を認め,辺縁に充実成分が残存していた.超音波内視鏡下穿刺吸引組織診を施行.偽乳頭状間質を認め,solid-pseudopapillary neoplasm(以下SPN)と術前診断し膵体尾部切除を行った.切除病理組織でも辺縁の腫瘍細胞集塊に偽乳頭状間質の痕跡を認め,Vimentin,CD10も陽性であり,SPNと最終診断した.SPNの男性例は稀であり,しばしば女性例と異なる画像所見を呈するため,他の膵悪性腫瘍との鑑別が問題となることも多い.SPNの術前診断における超音波内視鏡下穿刺吸引組織診の果たす役割は大きいものと考える.