2016 年 31 巻 2 号 p. 135-144
当院および当院関連施設における膵Solid pseudopapillary neoplasm(以下,SPN)20例の臨床病理学的特徴につき,男女別に比較検討を行った.男性は4例(20%),女性は16例(80%)であった.男性の年齢中央値は39歳と女性(年齢中央値29歳)より年齢が高い傾向にあり,男性が全例無症状であったのに対して女性では約半数で腹痛を認めた.画像所見は,男性で嚢胞を伴う症例が1例(25%),石灰化を認める症例が1例(25%)であったのに対して,女性では嚢胞を伴う症例が13例(81%),石灰化を認める症例が8例(50%)であった.FNAの正診率は男性で50%であったのに対して女性では92%であった.男性1例女性1例で血管浸潤を認めたが,リンパ節転移や遠隔転移は男女ともに認めなかった.全例で術後無再発生存しており男女間で臨床経過に差を認めなかった.