2018 年 33 巻 4 号 p. 737-742
慢性炎症性膵臓疾患は慢性膵炎と自己免疫性膵炎に大別される.これらの慢性炎症性膵臓疾患の炎症局所においては,免疫細胞の浸潤と線維化が認められる.自然免疫反応と獲得免疫反応の双方が慢性膵炎と自己免疫性膵炎の発症に必要であると考えられているがその詳細は解明されていない.最近,我々は慢性膵炎と自己免疫性膵炎が共通の自然免疫反応経路を背景に,発症することを見出した.慢性膵炎では膵臓の腺房細胞が産生するI型IFN・IL-33が,自己免疫性膵炎では形質細胞様樹状細胞が産生するI型IFN・IL-33が病態に関与することが明らかになった.このように,I型IFN-IL-33経路が慢性炎症性膵臓疾患の新規治療標的として,有望である可能性が示唆されている.