膵臓
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総説
膵癌集学的治療
―長期生存を目指す最新知見―
田口 昌延山口 博紀佐田 尚宏
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2020 年 35 巻 2 号 p. 193-200

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抄録

膵癌の5年相対生存率は他の消化器癌と比較して著しく低く,膵癌は難治性癌の筆頭である.この疾患から長期生存を得る最良の方法は局所を根治切除し,術後に全身補助化学療法を行うこととされてきた.現在,膵癌のさらなる治療成績向上を目指し,術前治療が行われている.ここでは膵癌術後補助化学療法と術前治療について,最新の知見に基づいて解説する.JASPAC01試験からS-1による術後補助化学療法はわが国における標準治療になった.近年,FOLFIRINOX療法による補助化学療法の有用性が海外より報告された.切除可能膵癌においては,Prep-02/JSAP-05試験の結果より術前Gemcitabine+S-1療法が標準治療になる可能性がある.切除可能境界膵癌においては,術前治療の有効性を示す初のRCTが報告され,エビデンスの構築が進んでいる.局所進行切除不能膵癌に対する術前治療の意義は今後の検討課題である.

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© 2020 日本膵臓学会
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