2024 年 39 巻 5 号 p. 297-304
超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診/生検(endoscopic ultrasound-guided fine needle aspiration/biopsy:EUS-FNA/FNB)は膵病変に対する病理診断を安全に確実に行う手段として広く普及している.EUS-FNA/FNBの偶発症の発生率は低いものの存在し,EUSスコープによる穿孔,穿刺に伴う出血,膵炎,膵液漏,感染などの偶発症,鎮静による呼吸抑制,循環抑制,徐脈,不整脈などの偶発症が報告されている.また,近年,膵癌術前患者に対する経胃的な穿刺においてneedle tract seeding(NTS)の発生が報告されている.偶発症の頻度は高くないものの起きうる偶発症を想定し,偶発症をきたした場合に適切な対処を行うことは安全なEUS-FNA/FNBを行うために必要不可欠である.