日本海水学会誌
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食塩の表面附着液の蒸気圧についての一考察
食塩の固結構について (第5報)
増沢 力
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1966 年 20 巻 2 号 p. 72-78

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抄録
食塩固結の要因の1つである附着液の25°の飽和蒸気圧を海洋塩5成分系の平衡値を用いて杉山の式で計算し, 附着液組成と食塩の固結傾向を検討した.
1) 塩化ナトリウムに飽和の液については純度が増す程, また含まれているカリウムイオンまたは硫酸イオンの割合が増す程, 高い飽和蒸気圧を示し, したがつて固結傾向が高くなると考えられる.
2) 塩化ナトリウムおよび1つ以上の塩化ナトリウム以外の塩類に飽和の液については, カリウムイオンまたは硫酸イオンの割合がます程飽和蒸気圧が高く固結傾向がます.
3) 海洋塩5成分系における食塩の附着液については組成がわかれば計算値を用いて, 吸湿固結性を予想できる.
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