日本海水学会誌
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混合ハイドレート剤の相平衡について
ハイドレート法による海水, かん水の濃縮 (第14報)
斎藤 進
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1968 年 22 巻 2 号 p. 192-198

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抄録
ハイドレート生成条件を変化させる目的で, 混合ガスによるハイドレート生成平衡を測定し, 次に示すごとき結果をえた.
(1) R-12-R-21, R-21-R-22系のごとくハイドレート剤相互の混合系においては, 混合系のハイドレート生成ラインおよび凝縮線とも成分ガス単体の両線の間にくる. しかして, 片方のガスのハイドレート不安定領域においても, 他方のガスのつくる水格子中にそれは包接されてハイドレートの安定化に寄与する.
(2) 共沸混合系においては. 一定混合比で生成圧力の最大値を示し, その値は成分ガスがそれぞれ単独でハイドレートを生成する場合の平衡圧力のいずれより大きい. またその混合比は, 成分混合ガス共沸点の混合比と一致する.
(3) ヘルプガスを混合した場合, 構造II型の結晶中に入つて安定化に寄与するが, その効果が温度によつて変化するためハイドレート生成ラインを湾曲させる.
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