抄録
ポリハロゲン化炭化水素の比色定量法として, FUJIWARA反応に基づく方法が数多く報告されているが, フツ素の入つた化合物に関するものはまだ検討されていない.
淡水中のフレオンにこの反応を適用し, 分析の諸条件を検討した結果, ピリジンと水酸化ナトリウムを加えて, 加温, 反応させると, まず, 525mμ に吸収極大をもつ赤色が現れるが, さらに加温を続けると赤色は消失した. 366mμ にも吸収極大が認められ, 525mμ に比較して366mμ の吸収は安定で, 感度が高いことが判明したので, フレオンの定量には後者を用いた.
試水20mlに, ピリジン9ml, 5N水酸化ナトリウム1mlを添加し, 50℃で50分間反応させて, 366mμの吸光度を測定することにより, フレオン濃度0.1~7mg/lの範囲で, 相対誤差, 変動係数ともに1%の精度で定量しえた. 多量のマグネシウム, カルシウムは著しく吸光度を低下させ, また銅, および鉄も妨害する.