日本海水学会誌
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83゜および110℃ における海洋塩5成分系の平衡について
イオン交換膜かん水の濃縮に関する研究 (第5報)
本山 正夫門田 稔岡 俊平
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1971 年 25 巻 2 号 p. 141-147

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抄録
イオンかん水, 海かん水およびイオン・塩田混合かん水の濃縮過程を相律的に解析する場合の基礎資料として, 83゜および110℃の平衡値を前報のPolythermから読み取つて表にまとめた. またその数値をD'Ansの方法およびJaneckeの方法で図示して検討を行い, 次の結果を得た.
1. 83℃の場合, 1変点VとWとを結んだ2変系ではNaCl, loeweiteおよびlangbeiniteが共存し, 一方loeweiteとglasgriteとは共存できない.
2. 110℃の場合, langbeiniteの晶出領域はD'Ansの約2倍, loeweiteは約7倍の面積を有する.
3. loeweite領域の2変系, 即ちIKおよびVYの長さから推定して, Y点は110℃より幾分高い温度範囲でも存在する.
4. 83゜および110℃を通じて, D'AnsのNa2SO4領域はその大部分をd'ansiteが占める.
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