日本海水学会誌
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炭酸バリヴム共沈法を用いる環境永中のストロンチウムの蛍光X線分析
環境分析に関する研究 (第18報)
西岡 洋米田 昭夫前田 嘉道安積 敬嗣
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1986 年 39 巻 6 号 p. 393-398

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抄録
炭酸バリウム共沈法を用いる環境水中のストロンチウムの蛍光X線分析法について検討を行い, 次の結果を得た.
(1) 検水に塩化バリウム溶液 (2gBa/l) 25mlおよび炭酸ナトリウム溶液 (5w/v%) 20mlを添加し, 1時間攪拌熟成すると, ストロンチウムは定量的に共沈する.
(2) 検量線は良好な直線関係を示し, 相対標準偏差は3%以下で, 分析精度も良好である.
(3) 本法の検出限界は0.3μgで, 定量下限は1.1μgである.
(4) 多量のカルシウムイオンの共存はストロンチウムイオンの共沈を妨害するが, 共存量が2mg以下であれば妨害は認められない.
(5) マグネシウムイオンの共存もストロンチウムイオンの共沈を妨害するが, 共存量が10mg以下であれば妨害は認められない.
(6) 海水, 河川水等の環境水中のストロンチウムイオンが, 検量線法で精度よく定量できることがわかった.
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