日本海水学会誌
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39 巻, 6 号
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  • 杉田 静雄
    1986 年 39 巻 6 号 p. 357-370
    発行日: 1986年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 和泉 健吉
    1986 年 39 巻 6 号 p. 371-392
    発行日: 1986年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    段フラッシュ蒸発式海水淡水化装置における重要な課題の一つにスケール防止が挙げられる.スケールは海水中の難溶性塩類の析出, 物であり, 伝熱面に析出, 付着すると伝熱を阻害し, 装置の熱効率を低下させる.スケールにはアルカリスケールと硫酸カルシウムスケールの2種がある, 各スケールの生成機構と防止法につき, 造水量100m3/d, 10段フラッシュ蒸発プラントを使用して実験検討し, 以下の知見を得た.
    (1) アルカリスケールは炭酸カルシウムと水酸化マグネシウムが主成分である.その生成機構を明らかにするため, スケール防止法を何ら講じない実験を行った結果, 100時間という短い時間で, アルカリスケールは多量析出した.アルカリスケールの生成はブライン中の炭酸物質の挙動に関係している.多段フラッシュ蒸発器の特徴は, 伝熱管内のブラインが加圧され, 伝熱面で蒸発が起こらない点にあり, また二酸化炭素のブラインからの放散がない.したがって, 従来の蒸発缶の場合と異なる炭酸物質と水の解離平衡に基づく生成機構が得られた, この生成機構を適用してプラント内のスケール成分の物質収支を計算し, さらにスケールの生成を晶析現象としてとらえ, スケール析出速度データを用い, 炭酸カルシウムと水酸化マグネシウムの表面晶析速度係数を得た.
    (2) アルカリスケールの防止には酸を海水に添加して脱炭酸するpHコントロール法が有効である.100m3/dプラントにおいて短期200時間連続運転実験を3回実施し, pHコントロールの最適条件として循環ブラインpH7.2±0.2を得た.各実験について炭酸物質の解離平衡に基づいて計算したスケール析出速度を実験データと比較検討し, スケール成分の物質収支計算には, 炭酸物質の過渡変化を考慮すべきことがわかった.
    (3) pHコントロール法の実用化を図るため, 長期2,000時間連続運転実験を行った.その結果, アルカリスケールの析出はほぼ完全に防止できたが, 伝熱を阻害するスラッジの伝熱管への沈着が起き, さらに高温部のブラインヒータで硫酸カルシウムスケールの析出が誘発された.すなわちスラッジ層に含まれるブライン中で無水硫酸カルシウムの過飽和性が破られ, 結晶核が生成し, これがしだいに成長して本格的なスケール形成につながった.なおスラッジの主成分は鉄の酸化物であり, その物質収支から鋼製蒸発缶体の腐食生成物が, 高温部で四三酸化鉄, 低温部でオーキシ水酸化鉄になることがわかった.
    (4) スラッジの除去が実用的なスケール防止にとって重要なことがわかり, スラッジ除去法としてスポンジボール洗浄法を適用した.pHコントロール法にスポンジボール洗浄法を併用した複合型スケール防止法につき, 長期2,000時間連続運転実験を行い, スケール, スラッジともに完全に防止できることを確認した.
  • 環境分析に関する研究 (第18報)
    西岡 洋, 米田 昭夫, 前田 嘉道, 安積 敬嗣
    1986 年 39 巻 6 号 p. 393-398
    発行日: 1986年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    炭酸バリウム共沈法を用いる環境水中のストロンチウムの蛍光X線分析法について検討を行い, 次の結果を得た.
    (1) 検水に塩化バリウム溶液 (2gBa/l) 25mlおよび炭酸ナトリウム溶液 (5w/v%) 20mlを添加し, 1時間攪拌熟成すると, ストロンチウムは定量的に共沈する.
    (2) 検量線は良好な直線関係を示し, 相対標準偏差は3%以下で, 分析精度も良好である.
    (3) 本法の検出限界は0.3μgで, 定量下限は1.1μgである.
    (4) 多量のカルシウムイオンの共存はストロンチウムイオンの共沈を妨害するが, 共存量が2mg以下であれば妨害は認められない.
    (5) マグネシウムイオンの共存もストロンチウムイオンの共沈を妨害するが, 共存量が10mg以下であれば妨害は認められない.
    (6) 海水, 河川水等の環境水中のストロンチウムイオンが, 検量線法で精度よく定量できることがわかった.
  • 田中 良修
    1986 年 39 巻 6 号 p. 399-410
    発行日: 1986年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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