日本海水学会誌
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スプレーフラッシュ蒸発の効率
橋本 俊行四元 健彦有浦 勢二宮武 修
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1991 年 45 巻 1 号 p. 22-28

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抄録
比較的大口径の円管ノズルから液が鉛直下向きにフラッシュ室へ流入する方式を用いて, スプレーフラッシュ蒸発の実験を行い, おもに蒸発効率について検討した. 実験は液流量0.83~2.50kg/s, 液温度40~80℃の範囲で行い, 3K以上の液過熱度に対して, ほとんどの実験範囲において0.8以上の高い蒸発効率が得られた.
また, 実験結果の検討から, 以下のことが明らかとなった.
(1) ノズルへの流入管形状がベンドの場合よりもティーの場合の方が蒸発効率が大きく, この傾向は流入液流量が大きくなるほど顕著である
(2) ノズルへの流入管形状がティーの場合, 過熱度が小さい範囲では, 流入液流量が増大するにつれ蒸発効率は大きくなる. 過熱度が大きくなると, 逆に流入液流量が増大するにつれ蒸発効率は小さくなる. また, 蒸発効率に及ぼすノズル口径の影響は小さい
(3) 本実験で用いた円管ノズルから液が鉛直下向きにフラッシュ室へ流入する方式は, 鉛直上向きもしくは水平方向に流入する方式よりも総合的判断から有用である
(4) 本実験結果は, 水平平板に複数ノズルを取り付けることによって大容量化されたスプレーフラッシュ蒸発装置の設計に利用できる
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