日本海水学会誌
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MgMn2O4より調製された吸着剤のリチウム選択吸着特性とそれの示すリチウム同位体効果
大井 隆夫瀧口 彰子
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1993 年 47 巻 2 号 p. 67-73

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抄録

本研究をまとめると次のようになる.
1)MgMn2O4より酸処理によりマグネシウムを抽出して選択性リチウム吸着剤HMnO(Mg)を調製した. スピネル型構造を持ちマグネシウム溶出率90%前後以上で高いリチウム選択吸着性を示した. マグネシウム抽出剤に適当量の(NH4)2S2O8を加えるとマグネシウム抽出率を高く保ちながら, マンガン溶解率をより低く抑えられる可能性がある.
2)本研究で合成したHMnO(Mg)につき,それの示すリチウム同位体効果をバッチ法により測定したところ, 軽い同位体6Liが吸着相に濃縮し, 25℃でε値として5.4~7.4×10-3の値が得られた. 実験の範囲内では, 吸着剤の調製条件とリチウム同位体効果との間には明確な相関性は観測されなかった.

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