日本海水学会誌
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マンガン酸化物系粒状吸着剤によるカラム吸着
マンガン酸化物系吸着剤による海水からのリチウム採取 (第16報)
宮井 良孝大井 健太加藤 俊作
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1993 年 47 巻 2 号 p. 81-85

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抄録

マンガン酸化物系粒状吸着剤について, 粒径と物性ならびに吸着処理条件とリチウム吸着性との関係などについて検討した結果, 次のようなことが判明した.
酸処理時間および振とう試験強度さらに湿潤かさ密度および含水量への粒径の影響は小さいが, 流動層体積比への影響は大きいことが認められた.
リチウム吸着性に及ぼす粒径の影響は大きく, 吸着時間17日においては, 吸着剤表面積とリチウム吸着量との間には高い相関性がみられた.
粒径0.5~0.7mmの粒状吸着剤の場合, 空間速度300h-1以上において粒内拡散が律速になったと推定された. リチウム吸着量はほぼ一定となり, そのときの吸着率は約10%であった.
粒径0.25~0.5mm,吸着時間25日でのリチウム吸着量は5.5mg・g-1を示し,平衡吸着量の95%に達した.この値は低品位の鉱石含量に相当する.
今後, カラム法による脱着条件ならびに吸着-脱着のくり返し試験について検討する予定である.

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