2023 年 58 巻 1 号 p. 28-34
大気環境学会学術賞受賞の対象となった大気沈着に関する研究について主な成果とその研究に至った背景や研究の繋がりについて取りまとめたもので、地域から広域、さらには国境を越えた降水成分調査、乾性沈着評価のためのプログラム開発、乾性沈着成分調査手法の改良、また近年重要となっている反応性窒素の挙動解析など、湿性、乾性および窒素沈着に関する研究の成果と残された課題について報告する。またその中で、アスファルト粉じんの影響などの地域特有の条件、特に積雪寒冷地における地方のフィールド研究であるがために得られた成果など、地域ゆえに展開できた研究であることを示したい。