抄録
膵・胆管合流異常は「膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の奇形」で, 括約筋作用が胆管まで及ばないために, 膵液が胆管内に逆流して様々な障害を引き起こす. 胆道癌の合併は胆管拡張を伴う膵・胆管合流異常の11.3%に認められ, 胆管の拡張を伴わない膵・胆管合流異常では39.0%であり, その発生率は日本人の胆道癌発生率の約1000倍と異常な高率である. また, 未成年者においてもすでに癌を合併している例の報告も少なくない. 膵・胆管合流異常に対する治療法については, 胆管の拡張を伴う例に対しては分流手術が確立されているが, 近年, 術後においても癌が発生することが明らかになってきたり, 分流手術を行っても発癌率に差がないとの報告もみられる. 一方, 胆管拡張を伴わない膵・胆管合流異常に対する胆摘後に胆管癌が発生したとの報告もあり, 膵・胆管合流異常に対する治療をもう一度見直してみる時期に来ている.