抄録
多検出器CT (MD-CT) 導入により, CT診断は劇的に変化した. workstationを利用することで以前のフィルム出力と比べ情報量は飛躍的に増加し, 多彩な病変描出法による, より緻密な診断が可能となった. MD-CTの空間解像度・時間解像度は, 他の診断modalityと比較して飛躍的に高いが, 組織解像度は内視鏡超音波検査 (EUS), MRIより劣っている. そのため, 詳細な診断には造影剤の使用が必須となり, 胆道系の評価には経静脈的造影剤を使用したdynamic studyおよび胆道移行造影剤を使用したDIC-CTが有用である. 胆嚢癌, 特に長期生存可能なss以浅の胆嚢癌を診断するために重要なのは, 胆嚢内隆起性病変, 不均一・限局性の胆嚢壁肥厚を詳細に検討し, 評価することである. そのためにMD-CTは, EUSと並んで重要かつ有用なmodalityである. 早期胆嚢癌でも隆起性病変の割合は30.9%と比較的低く, 胆嚢癌の存在診断では平坦型胆嚢癌の存在を常に念頭に置くべきである. 急性胆嚢炎例における平坦型胆嚢癌の合併, segmental typeの胆嚢腺筋腫症と胆嚢癌との鑑別には特に注意する必要がある.