抄録
要旨:症例は76歳,男性.主訴は黄疸.近医にて閉塞性黄疸のためERCP施行され,上部胆管から肝門部胆管にかけての狭窄を認めた.この際の細胞診はclass IIIであったものの肝門部胆管癌が疑われ,精査加療目的で当院紹介となった.当院で行ったCT,MRIで同部位に腫瘤を認め,末梢の胆管拡張を認めた.PET-CTにおいても同部位はFDGの取り込みを認めた.当院で再度施行したERCP下の胆管擦過細胞診にてclass V,IDUSにおいても狭窄部では周囲に浸潤するような腫瘤様構造を呈していた.以上の結果から肝門部胆管癌と診断し,肝右葉切除術,胆管切除術及び胆道再建術を施行した.しかし,切除後の病理組織学的検査では,胆管周囲に密なIgG4陽性形質細胞浸潤を伴う線維増生を認めIgG4関連硬化性胆管炎と診断された.