抄録
症例は67歳,女性.黄疸および肝胆道系酵素の上昇を認め,精査目的に当院紹介.腹部US,腹部造影CT,ERCPにて肝門部胆管狭窄および胆嚢頚部から胆管の壁肥厚を認めた.また肝円索は胆嚢の右側に存在し,右側肝円索と診断し,肝内門脈分岐の破格を認めた.胆嚢癌の胆管浸潤または肝門部胆管癌が疑われ,胆嚢を含む肝円索より左側の肝切除術,胆管切除術,リンパ節郭清(D2)を施行した.門脈は本幹から後区域枝が独立分岐した後,前区域と門脈左枝が分かれていた.最終病理ではfstageIVaで根治度はBであった.右側肝円索に伴う胆嚢癌の報告は我々の知る範囲で,本邦で2例目と稀である.右側肝円索では肝内門脈分岐異常を伴うことが多く,術前十分なシミュレーションを行い注意して手術に臨む必要があると考えられた.