胆道
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症例報告
肝切除・胆管切除術後の肝外門脈閉塞による消化管出血に門脈ステント留置および側副血行路塞栓で長期生存した1例
新村 兼康宇田川 郁夫西野 仁惠菊地 紀夫宮崎 勝
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2013 年 27 巻 5 号 p. 855-861

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抄録
症例は77歳,男性.良性胆嚢腫瘤に対して肝区域切除・胆管切除・肝管空腸吻合再建術を受けた.13カ月後,右季肋部痛とタール便を認め再入院となった.精査にて肝外門脈が完全閉塞し,上腸間膜静脈から求肝性の血流が挙上空腸の側副血行路を経て,肝管空腸吻合部から肝内門脈枝へ短絡路を介して流入していた.この短絡路における静脈瘤破裂による消化管出血と診断し,経皮経肝門脈造影を試みた.門脈閉塞部を経皮経肝的血管形成術にて再開通させた後,側副血行路をコイル塞栓した.さらに,再開通させた門脈狭窄部へメタリックステントを留置し,十分な求肝性血流を得られ,上腸間膜静脈圧は35 cmH2Oから21 cmH2Oへ低下した.その後7年間にわたって消化管出血はみられず,7年後の現在ステントの開存を確認した.良性肝外門脈閉塞への門脈ステント留置及び側副血行路塞栓は安全に施行でき,低侵襲で極めて有用な治療法と考えられた.
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© 2013 日本胆道学会
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