抄録
症例は81歳,女性.非特異性腸炎の経過観察中に,増大傾向のある胆嚢腫瘍を指摘された.明らかな肝臓への浸潤は認めないものの固有筋層以深の深達度である胆嚢癌を疑い,手術を予定した.高齢で全身状態が良好とはいえず,患者側からも開腹手術の同意を得られず,低侵襲手術を企図して腹腔鏡下に胆嚢摘出術と肝床部のラジオ波焼灼療法を行った.病理診断は胆嚢周囲進展度T2の腺内分泌細胞癌であった.術後経過は良好で,術後4年3カ月経過し無再発生存中である.胆嚢腺内分泌癌は稀で予後不良な疾患とされ,長期生存例の報告は少ない.また,これまでに胆嚢癌に対し肝床部のラジオ波焼灼を行ったとする報告はなく自験例が初例である.胆嚢腺内分泌癌の臨床的特徴と胆嚢癌に対するラジオ波焼灼療法の応用の可能性につき,文献的考察を加え報告する.