抄録
症例は47歳の女性で,十二指腸乳頭部神経内分泌腫瘍に対して幽門輪温存膵頭十二指腸切除術,2群リンパ節郭清を施行した.腫瘍径7 mm,乳頭周囲進展度od,核分裂像数は1個/10 HPF未満,Ki-67指数は1%未満であり,神経内分泌腫瘍G1と診断した.リンパ節転移数は28個検索中1個(No. 13)であった.術後8年目のCTにて肝右葉に限局する多発肝転移を認めたため,肝右葉切除術を施行した.腫瘍は7個存在し,最大径5 mm,核分裂像数は1個/10 HPF未満,Ki-67指数は4%であり,転移性神経内分泌腫瘍G2と診断した.十二指腸乳頭部神経内分泌腫瘍は,腫瘍径に関わらず,リンパ節郭清を伴った腫瘍の完全切除術が必要であるとともに,術後は遠隔期再発を念頭に厳重に経過観察すべきである.再発病変に対しては腫瘍遺残のない術式立案が可能であれば,現時点では外科切除の適応と考える.