抄録
症例は59歳男性.右季肋部痛と嘔気を訴えて来院した.腹部超音波・CT検査で出血性胆嚢炎が疑われた.強い希望で保存的治療を開始したが,翌日症状が増悪し,黄疸も発症した為緊急手術を施行した.手術所見では胆嚢が頸部で穿孔し,胆嚢内の血腫が肝十二指腸間膜内に穿破した為巨大な血腫を形成し,総胆管は血腫に圧排されていた.胆嚢摘出にて止血を得たが,胆道造影では胆管内に血腫や結石は描出されず,血腫による外圧性の閉塞性黄疸が疑われた.病理所見では穿孔部周囲に全層性の壊死・粘膜下出血をみとめ,出血性胆嚢炎穿孔と診断された.動脈壁の異常や悪性所見はなかった.出血性胆嚢炎穿孔による血腫が原因となった外圧性の閉塞性黄疸は過去に報告例はなく極めて稀である.