抄録
近年,非切除悪性肝門部胆道狭窄に対してSelf-expandable metallic stent(SEMS)を第一選択とする施設が増えている.現在では様々なSEMSが市販されているが,それぞれの特徴を理解して使用するSEMSを選択することが重要である.そこで,非切除悪性肝門部胆道狭窄に対するSEMSの治療成績をAxial force(AF)とメッシュ間隙の違いによってグループ化して比較検討した.Isayamaらが報告したSEMSのLow AF群はModerate AF群と比べて開存期間が有意に長かったが,メッシュ間隙の違いによる開存期間には有意差を認めなかった.なお,メッシュ間隙が大きく開くSEMSのほうがReinterventionを容易かつ確実に行うことができた.したがって,非切除悪性肝門部胆道狭窄に対しては開存期間からはAFが低いSEMSが望ましく,容易かつ確実なReinterventionを行うためにはメッシュ間隙が大きいSEMSを選択することが望ましい.