抄録
胆嚢の幽門腺型腺腫・腺腫内癌手術例13例につき術前画像および病理組織像を比較検討した.病理組織像を見直し,病変内に高異型度の部分がみられるものを高異型度(H)群,みられないものを低異型度(L)群とした.EUSでは有茎性ポリープとして描出され,表面が結節状~平滑(H群6/7例,L群2/3例),内部エコーパターンが実質様(H群7/7例,L群1/3例),小嚢胞(H群5/7例,L群2/3例)がみられた.CTではポリープに一致して造影効果がみられた(H群6/6例,L群3/3群).MRI拡散強調画像では高信号は認められず(H群0/4例,L群0/2群),ADC値に有意差を認めなかった(H群2.87±0.39×10-3 mm2/s, L群2.94±0.028×10-3 mm2/s)(p=0.75).いずれの画像でもH群とL群とに有意な差異は認められず,術前画像で両群を鑑別することは困難と考えられた.