胆道
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原著
総胆管結石治療における結石成分分析の意義
中路 聡平田 信人白鳥 俊康小林 正佳
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2015 年 29 巻 4 号 p. 723-731

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抄録

背景:総胆管結石の結石分析を行い総胆管結石再発との関連性について報告する.方法:初回ERCPで結石分析を施行した122例をretrospectiveに解析した.検討内容は①背景因子,②胆摘術による総胆管結石再発予防効果,③初発時と再発時の成分比較とした.結果:①色素胆石が63.9%と最多であり,コレステロール胆石24.6%,まれな胆石11.5%と続いた.年齢(p<0.01)・肥満(p=0.041)・総胆管径(p=0.012)・総胆管結石径(p=0.011)で有意差を認めた.②総胆管結石再発に対する胆摘術の予防効果はコレステロール胆石群では胆摘群で再発率が有意に低く(p=0.035),まれな胆石群と色素胆石群では有意差を認めなかった.③7例で再発結石分析を施行したが6例が初発時と同じであった.結語:結石の種類により胆摘術による再発予防効果が異なっていた.胆摘術をどのような症例に推奨すべきか検討する上で結石分析は有用である可能性が示唆された.

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© 2015 日本胆道学会
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