2015 年 29 巻 4 号 p. 808-814
症例は,60歳代の女性.発熱と右季肋部痛を主訴に近医を受診した.血液検査にて肝胆道系酵素の上昇とCT検査にて胆嚢壁肥厚,胆石,肝内胆管拡張を認めたため,当科を紹介受診となり,急性胆管炎の診断で入院となった.ERCP所見では,上部胆管に15mm長の狭窄を認めた.SpyGlass®にて上部胆管に全周性狭窄を認め,胆管狭窄部擦過細胞診class IVの判定から,上部胆管癌と診断した.肝右葉切除術,左胆管空腸吻合術を施行したが,病理組織学的には,黄色肉芽腫性胆嚢炎,肝外・肝内胆管炎の診断であった.