2017 年 31 巻 1 号 p. 87-92
内視鏡的乳頭括約筋切開術(endoscopic sphincterotomy;EST)は総胆管結石に対する標準的治療として行われるほか,各種胆道内視鏡下の診断や治療に際して適応がある.ESTを安全かつ確実に実施するためには,基本的な指針が必要である.日本消化器内視鏡学会は,科学的な手法で作成した基本的な指針として,「EST診療ガイドライン」を作成した.本ガイドラインでは,適応,手技,特殊な症例への対処,偶発症,治療成績,術後経過観察の6つの項目について計23個のClinical Question(CQ)を作成し,各CQに対するステートメントと解説文という形で構成されている.本稿では「EST診療ガイドライン」の要点について述べる.