2017 年 31 巻 1 号 p. 93-101
症例は25歳女性,主訴は腹痛.胆石が疑われ当院紹介受診,腹部超音波,CTおよびMRCPにて胆嚢に隣接する辺縁低エコーで内部に石灰化を含んだ嚢胞性病変を認めたが,胆嚢管との交通は指摘されず経過観察となった.のちに胆嚢内胆石と総胆管結石を認め入院,ERCPおよび胆道チューブ造影では総胆管内に透亮像と左肝管から分岐した胆嚢管と線状の導管を介して連続する嚢胞性病変を認めた.総胆管結石を合併する胆嚢内結石,重複胆嚢と診断し,内視鏡的に総胆管結石を結石除去後に開腹胆嚢摘出術を施行.術後標本造影では胆嚢管と胆嚢管に流入する別の線状の索状物を有する嚢胞性病変との間に交通を確認した.病理組織では嚢胞性病変に胆嚢上皮と考えられる腺管構造と筋層構造を共に認め,重複胆嚢と矛盾しない所見であった.重複胆嚢と診断された自験例を文献的考察と共に報告する.