2017 年 31 巻 4 号 p. 737-744
症例は86歳の女性で,右季肋部痛を主訴に当院救急外来を受診した.胆嚢内に径40mmの腫瘤性病変が指摘された.胆嚢癌と診断し,拡大胆嚢摘出術およびリンパ節郭清(#12b,c)を施行した.病理組織学的診断は,胆嚢扁平上皮癌T3aN0M0 Stage IIIA,R0切除であった.術後7年8カ月後に他病死され,その際に剖検が施行されたが胆嚢癌の再発は認めなかった.
胆嚢癌において,扁平上皮癌はまれな組織型である.その特徴は,腫瘤形成型発育形態をとり,隣接臓器浸潤をきたしやすく,予後は一般に不良とされている.今回,切除により長期予後が得られた胆嚢扁平上皮癌を経験したので,文献的考察を加えて報告する.