胆道
Online ISSN : 1883-6879
Print ISSN : 0914-0077
ISSN-L : 0914-0077
日本胆道学会認定指導医養成講座
良性胆道狭窄に対する内視鏡治療
伊藤 啓越田 真介菅野 良秀小川 貴央楠瀬 寛顕枡 かおり酒井 利隆小堺 史郷野田 裕
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 32 巻 1 号 p. 62-71

詳細
抄録

良性胆道狭窄の原因疾患には,慢性膵炎や術後胆道狭窄,Mirizzi症候群,IgG4関連硬化性胆管炎,原発性硬化性胆管炎などが挙げられる.治療法は原疾患により異なり,内視鏡治療や,ステロイドなどの薬物療法,外科的治療が行われている.内視鏡治療ではバルーンカテーテルもしくは拡張用カテーテルで狭窄部を拡張後にstentを留置するのが一般的である.狭窄の拡張を目的として6-12カ月間の10Fr plastic stent複数本留置が第一選択とされていたが,近年の研究によりfully covered metal stent留置も有効性が同程度で,ERCP施行回数が少なくなることが報告されている.胃切除や胆道再建症例に対しては,バルーン小腸内視鏡やinterventional EUSを用いた治療も行われている.内視鏡治療困難例や無効例などでは外科治療を考慮する.

著者関連情報
© 2018 日本胆道学会
前の記事 次の記事
feedback
Top