2000年1月から2016年12月の間に東海大学消化器外科で切除した乳頭部癌(n=85),胆嚢癌(n=95),遠位胆管癌(n=94),肝門部領域胆管癌(n=54),および肝内胆管癌(n=47)の外科治療成績からその治療戦略を検討した.左右肝管合流部から膵内胆管にまで及ぶ肝外胆管癌を広範囲胆管癌(n=17)としてその治療成績も検討した.
各疾患の5年生存率は,乳頭部癌65%,胆嚢癌60%,遠位胆管癌52%,肝門部領域胆管癌27%,肝内胆管癌44%で,広範囲胆管癌は12%であった.肝門部領域胆管癌では断端陽性率が高く,他の疾患に比して術後死亡率が高率であった.従って肝門部領域胆管癌では術後死亡率を低下させ,R0切除率を向上させることが必要であると考えられた.広範囲胆管癌では術後死亡は認めなかったが,断端陽性率が高く,今後は肝膵同時切除によるR0切除率の向上が必要と思われた.