2018 年 32 巻 2 号 p. 233-240
原発性胆汁性胆管炎(PBC)は,原因不明の胆汁うっ滞症であるが,疾患感受性遺伝子の解析や免疫学的胆管細胞傷害機序の研究により,その病態が少しずつ解明されている.病理組織学的な病期と活動度の新しい評価分類法が作成され,自己免疫性肝炎の特徴が加わった「いわゆるオーバーラップ症候群」は,肝炎性活動度の高いPBCと考えられるようになった.ウルソデオキシコール酸に続く第二の治療薬として,2016年に米国で新薬のオベティコール酸が発売されたが,掻痒感の副作用と極めて高い薬価により,実臨床でどの程度使用されるかは疑問である.そのような状況下,わが国で10年以上前から広く用いられているベザフィブラートの有効性が,近年欧米でも認識され始めている.その他,免疫異常のコントロールを目的とした免疫療法の臨床試験も進行中である.また近年,大規模データからPBC患者の新しい予後予測式が報告され(GLOBEスコア,UK-PBCリスクスコア)Web上で予後予測が可能である.