胆道
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原著
潜在性胆嚢癌における外科的治療と長期予後の検討
中村 直彦波多野 悦朗井口 公太瀬尾 智田浦 康二朗上本 伸二
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2018 年 32 巻 5 号 p. 842-848

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抄録

本検討では胆嚢摘出術にて偶発的に発見される潜在性胆嚢癌の臨床病理学的特徴,外科治療,術後予後を明らかにすることを目的とし,根治的手術を施行した潜在性胆嚢癌11症例,非潜在性胆嚢癌26症例について後ろ向き観察研究を行った.潜在性胆嚢癌は胆嚢頚部に存在し肉眼的形態では平坦浸潤型を示すことが有意に多かった.潜在性胆嚢癌では胆管合併切除を行った症例が非潜在性胆嚢癌と比較し有意に多く,胆管合併切除を行った潜在性胆嚢癌全4症例は頸部に存在する平坦浸潤型であり胆嚢管への癌浸潤を認めた.5年無再発生存率は潜在性胆嚢癌群81.8%,非潜在性胆嚢癌群45.8%であった(p=0.045).また,胆管合併切除を行った潜在性胆嚢癌症例では術後再発を認めなかった.潜在性胆嚢癌は平坦浸潤型が胆嚢頚部に存在することが多く,根治的切除を行う際には胆嚢管への浸潤を注意深く評価し,胆管合併切除を考慮する必要があると考えられた.

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© 2018 日本胆道学会
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