胆道
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症例報告
外側高エコー層の吊り上げ肥厚を示したT1b(MP)胆嚢癌の1切除例
藤本 武利廣橋 伸治加藤 洋
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2018 年 32 巻 5 号 p. 876-883

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抄録

早期胆嚢癌は,リンパ節転移を殆ど認めず腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)の適応となりうる.このため,厳密な深達度診断を含めて胆嚢腫瘤の良悪性診断が重要である.症例は無症状の64歳男性であり,定期検診で胆嚢腫瘤の増大を指摘されて受診した.CEA・CA19-9は正常であり,USで胆嚢底部に径3cmの高エコー腫瘤を認め,小嚢胞とコメット様エコーを伴い,内部が不均一であった.外側高エコー層の吊り上げ肥厚を認め,病巣深部低エコーはみられなかった.腫瘤は単純CTで描出され,MRIの拡散強調像で拡散低下を示し,EUSで膵・胆管合流異常を認めた.総合的に早期胆嚢癌が考えやすくLCを行った.切除標本で胆嚢底部に32×29mmの乳頭型隆起を認め,病理組織学的にtubular adenocarcinoma(tub1-tub2)with adenoma component,深達度MPであった.US像に合致し病巣直下の漿膜下層脂肪織が吊り上げ肥厚を示した.外側高エコー層の吊り上げ肥厚はMP癌でも認めうる所見である.

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© 2018 日本胆道学会
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