胆道
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症例報告
腎細胞癌の胆嚢転移の1例―転移性胆嚢腫瘍の形態学的考察を併せて―
鍋島 立秀菅野 敦正宗 淳益田 邦洋三浦 晋滝川 哲也森川 孝則藤島 史喜海野 倫明古川 徹下瀬川 徹
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2018 年 32 巻 5 号 p. 868-875

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抄録

症例は60歳代男性.1年前に左腎細胞癌のため左腎摘出術が施行された.同時期に認められていた胆嚢ポリープが徐々に増大傾向を示したため,精査目的に当科を紹介された.造影CTでは胆嚢底部に長径12mmの多血性の隆起性病変を認めた.EUSでは腫瘤は亜有茎性で,強い造影効果を認めた.臨床経過と画像所見より胆嚢癌または腎細胞癌の胆嚢転移を疑い胆嚢摘出術を施行した.最終病理診断は腎細胞癌の胆嚢転移であった.転移性胆嚢腫瘍は稀な腫瘍である.医中誌・PubMedにおいて転移性胆嚢腫瘍で検索したところ165例の報告を認めた.原発巣は腎細胞癌58例(35.1%),悪性黒色腫45例(27.1%),胃癌・乳癌は各15例(9.1%)であった.腎細胞癌・悪性黒色腫の胆嚢転移では隆起性病変の形態を,胃癌・乳癌では壁肥厚性病変の形態をとる症例が多かった.転移性胆嚢腫瘍は原発巣によって特徴的な形態を呈する可能性が示唆された.

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© 2018 日本胆道学会
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