2018 年 32 巻 5 号 p. 891-899
膵炎に由来する体腔内感染巣に対して超音波内視鏡下の経消化管的ドレナージは広く普及しているが,膵炎以外が原因の場合は現在でも経皮的あるいは開腹ドレナージが一般的である.しかしながら近年,種々の感染巣に対して超音波内視鏡下のドレナージが施行されつつある.今回我々は胆嚢摘出後の腹腔内膿瘍に対して超音波内視鏡下ドレナージが有用であった1例を経験したので報告する.症例は65歳,男性.急性胆嚢炎に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.その後腹痛,発熱を認めCTで胆嚢摘出部位に一致して膿瘍を認めた.経皮的ドレナージルートの確保が困難であり,超音波内視鏡下ドレナージを施行した.十二指腸球部よりアプローチし,膿瘍内にチューブステントを挿入し内瘻化した.炎症は速やかに改善し膿瘍も縮小・消失した.その後も膿瘍の再発は認めていない.超音波内視鏡下膿瘍ドレナージは低侵襲でかつ有用・安全な手技と考えられる.