2019 年 33 巻 1 号 p. 127-133
症例は53歳女性.下腹部痛を主訴に受診.CTで,肝右葉に径7cm大の肝門に及ぶ腫瘤を認め,内部には動脈枝・門脈枝が貫通していた.肝生検では腺癌の所見で,肝内胆管癌と診断し,拡大肝右葉切除・尾状葉切除・肝外胆管切除術を施行した.腫瘍は白色充実性で内部を貫通する門脈域の構造は保たれていた.術後病理組織検査では,間質に線維化を伴い,核の腫大した細胞が比較的細く不規則に分岐・癒合する腺管を形成しており,細胆管細胞癌と診断した.術後7カ月目に胆管空腸吻合部に狭窄をきたし,PTBDを施行.良性狭窄と診断し,PTBDカテーテルを内瘻ステントとして留置し,吻合部の拡張が得られた後,抜去した.術後7年6カ月の現在まで長期無再発生存中であり,胆管空腸吻合の再狭窄も来していない.本症例は,腫瘍が肝門に及び,胆道再建を伴う葉切除を要したにもかかわらず長期生存を得ることができた.