2019 年 33 巻 2 号 p. 280-287
無石の急性胆嚢炎に対して緊急で腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行したところ,術中に右側肝円索を伴った症例であることが判明した1例を報告する.症例は51歳,女性.主訴は上腹部痛.無石の急性胆嚢炎の診断で緊急で腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.通常の4点ポート法で開始した.胆嚢は腫大し,胆嚢の頸部は肝円索の左側の胆嚢床に広く面で付着し,体部は肝円索の右側に膜様の組織で付着していた.右側肝円索を伴った急性胆嚢炎と診断した.胆嚢頸部へ直接アプローチが困難なため底部より順行性に胆嚢を剥離し,最後に胆嚢管を露出し胆道造影後切離した.自験例は胆嚢頸部で屈曲しており,この部より体底部の壁は浮腫で著明に肥厚していた.術後経過は良好であった.右肝円索症例では胆嚢の付着部位によっては胆嚢が屈曲して胆嚢炎を引き起こす可能性があることが示唆された.