胆道
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症例報告
長期生存を認めている胆管原発癌肉腫の1切除例
鈴木 修司下田 貢丸山 常彦大城 幸雄森下 由紀雄
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キーワード: 癌肉腫, 胆管, 切除, 長期生存
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2019 年 33 巻 2 号 p. 272-279

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抄録

長期生存を認めている極めて稀な胆管原発癌肉腫を経験したので報告する.症例は69歳の男性で,黄疸を主訴に近医受診し,胆管癌疑いにて紹介となった.CT,MRIでは中下部胆管に壁肥厚と造影効果を認めた.胆管細胞診はclassIIIであったが,遠位胆管癌の疑いにて手術を施行した.開腹すると横行結腸間膜に3cm大の孤立性結節を認めたが,肉眼的根治切除可能と考え,亜全胃温存膵頭十二指腸切除+横行結腸部分切除を施行した.病理検査では腫瘍は6cm×3cm大で肝側断端からVater乳頭まで進展し,HE染色では肉腫様成分と腺癌や扁平上皮癌からなる癌成分の混在を認め,横行結腸間膜の腫瘤は黄色肉芽腫であった.免疫組織学的検査ではAE1/AE3,Vimentin陽性,HHF35弱陽性で,胆管原発のいわゆる癌肉腫であった.術後S-1を内服継続し,術後42カ月明らかな局所再発,遠隔転移なく生存中である.

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© 2019 日本胆道学会
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