胆道
Online ISSN : 1883-6879
Print ISSN : 0914-0077
ISSN-L : 0914-0077
総説
胆道癌における遺伝子診断・治療の現況
佐々木 隆尾阪 将人笹平 直樹
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 34 巻 4 号 p. 663-671

詳細
抄録

胆道癌診療において薬物療法の果たす役割は大きいが,その治療効果ならびに選択肢は限られている.そのため胆道癌全体の治療成績向上には,薬物療法のさらなる発展は欠かせない.現在も胆道癌をまとめて殺細胞性抗癌剤や免疫チェックポイント阻害剤で治療する開発も進められている.一方で,がんの遺伝子異常を調べて分子標的薬で治療する個別化治療は,いろいろな胆道部位の癌が混在する胆道癌では特に期待されている.近年では,肝内胆管癌に対するFGFR阻害剤やIDH阻害剤で良好な成績も報告されるようになってきている.またわが国でも遺伝子パネル検査が実用化され,今後さらに胆道癌領域において遺伝子診断に基づく治療が発展することが期待される.しかしながら検査結果が出るまでの時間や非切除例における検体量の問題,遺伝子異常に合致した実際に使用可能な治療薬の不足,さらには医療費の問題など今後解決していかなければいけない課題も多い.

著者関連情報
© 2020 日本胆道学会
前の記事 次の記事
feedback
Top