2020 年 34 巻 5 号 p. 854-860
症例は75歳男性.直腸癌に対して腹腔鏡下低位前方切除を施行し,病理診断はpT3N1bM0,pStage IIIbであった.術後28カ月で肝S5に単発の転移を認め,肝部分切除を施行した.病理診断では肉眼的胆管浸潤を伴う転移性肝腫瘍であった.術後に胆汁漏からbilomaを形成し,経皮的ドレナージを要した.術後6カ月のフォローアップCT検査ではbilomaは縮小を維持していたが,11カ月の時点では再増大しており充実性腫瘤様となっていた.そこで術後13カ月に再肝切除を計画した.術中所見で横隔膜に浸潤を認めたため,術式は開胸開腹による肝右葉切除術,横隔膜合併切除術とした.病理診断では病変の主座は肝外にあり,臨床経過や経時的な画像所見,病理診断より,bilomaから発育した局所再発と最終診断した.現在,再肝切除から2年経過して無再発生存中である.